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大豆イソフラボンのプラス効果とマイナス効果

 大豆イソフラボンが薄毛対策に効果的といわれていますが、いったいどのような成分なのでしょうか。

 大豆はもともと「畑のお肉」と呼ばれるほど良質なタンパク質を多く含んでおり、豆腐や納豆などの加工食品をはじめ、味噌や醤油などの調味料の原料になっていて、口にしない日はないほど日本の食文化を支えています。そして、この栄養満点の大豆の中に含まれている機能性成分の一つが大豆イソフラボンなのです。

 大豆はとにかく種類が豊富で、大小さまざま100種類以上あるといわれていますが、その大豆に含まれている機能性成分も多種多様、様々な効果が期待されており、主だった成分となるのは以下の通りです。

・大豆タンパク質  ・・・ コレステロール低下

・食物繊維     ・・・ 便通改善

・植物ステロール  ・・・ コレステロール低下

・大豆レシチン   ・・・ 脳の老化防止

・大豆イソフラボン ・・・ 女性ホルモン類作用

 この中の大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きを持つ成分で、「エストロゲン」に化学構造が似ていることから「植物エストロゲン」と呼ばれることもあります。

 ではなぜ、この女性ホルモンに似た成分の大豆イソフラボンが薄毛対策に効果的なのでしょうか。

 簡単に言うと

「女性ホルモンに似た成分が男性ホルモンの働きを抑えてくれる」

 ということです。

 そもそも薄毛の原因とされているのが、男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン」の働きです。このホルモンは毛髪の元となる細胞の働きを低下させる作用があるといわれていますが、食生活の乱れ、運動不足などが原因でホルモンのバランスが崩れると、薄毛が進行するといわれています。

 一方で、大豆イソフラボンには薄毛の原因とされる「5αリダクターゼ」の働きを抑制する作用があると言われているため、薄毛を予防してくれる可能性があります。

「5αリダクターゼ?薄毛の原因はジヒドロテストステロンじゃないの?」

という疑問でてくると思いますが、

 実は、「ジヒドロテストステロン」は「テストステロン」という男性ホルモンと「5αリダクターゼ」という酵素が結合することで生まれます。

 「テストステロン」+「5αリダクターゼ」=「ジヒドロテストステロン」

 つまり、大豆イソフラボンで「5αリダクターゼ」の働きを抑制することによって、結果的に「ジヒドロテストステロン」の量を減らすという図式になります。

この図式を見ているとライブドアによるニッポン放送買収問題を思い出します。

 フジテレビ(ジヒドロテストステロン)を押さえるために傘下のニッポン放送(5αリダクターゼ)に矛先を向けるライブドア(大豆イソフラボン)のようなイメージですがいかがでしょうか。

 ここまでの説明を見るかぎり、大豆イソフラボンは一見すると百薬の長のように思えますが、実は摂り過ぎはかえって逆効果になる場合もあります。それは、冒頭に出てきた「女性ホルモンに似た働きをする成分」というのがポイントです。

 有用な影響としては先ほどの薄毛対策の他にも、髪にハリやツヤを与えたり、骨を丈夫にしたり、がんの予防効果も期待されています。一方で、有害な影響としては乳がんの再発リスクを高める可能性も指摘されています。

 いずれにしても適量を摂取していれば身体も髪も健康元気!毛活にもプラスになることは間違いありません。

 ちなみに一日の摂取量の目安は40mg~50mg。豆腐なら半丁、納豆なら1パック程度です。

日本の長寿を支える大豆

 大豆には薄毛対策に効果的と言われる大豆イソフラボンをはじめ、様々な栄養素が粒一杯に詰まっており、日本の食文化には欠かせない食材の一つです。

 ここでは、この大豆の種類や成分などについて解説していきます。

 大豆という名前の由来は「大いなる豆」、つまり、豆の中でも一番という意味で名づけられたとされるのが一般的な解釈ですが、実は大きさや色の違いにより100種類以上の大豆が存在するといわれています。

 大きさでは大粒種、中粒種、小粒種に分類され、大粒種は豆の形をそのまま残した煮豆などの料理、中粒種は豆腐、味噌や醤油などの調味料に、小粒種は主に納豆に加工されます。そして、あまり知られていませんが、枝豆やモヤシも大豆の仲間です。

 その栄養価の高さから「畑のお肉」とも呼ばれる大豆ですが、成分はタンパク質をはじめ、脂質、糖質、カリウム、マグネシウム、カルシウム・・・とにかく種類が豊富。一方でコレステロールが全く含まれていないことも注目されています。

 公益財団法人日本豆類協会によると、大豆100gあたりの成分値は以下の通りです。

  ・エネルギー   422kcal

  ・タンパク質  33.8g

  ・炭水化物   29.5g

  ・脂質     19.7g             

  ・水分     12.4g             

  ・灰分      4.7g

 この中でも注目は、やはり全体の30%以上を占めるタンパク質。肉にも匹敵するような良質なタンパク質が「畑のお肉」といわれる所以になっています。タンパク質は筋肉や血液、そして髪、毛根などを構成するうえで欠かせない成分ですから、不足すると体力が落ちたり、血管が弱くなったり、体に与える影響は小さくありません。そういった意味では適度なタンパク質を摂取することは健康を維持するためにも必要なことなのです。

 古来より日本では食生活の中心に大豆があり、世界的にも大豆をよく食べる国として知られています。長寿大国ニッポンを支える屋台骨となっている大豆ですが、近年は食文化の多様化により大豆の摂取量が減ってきており、特に若い世代の摂取量が低下していることが注視されています。

 その一方で、大豆に含まれている機能性成分については摂りすぎるとかえって逆効果になる場合もあるようで・・・

 この機能性成分についてはまた次回、詳しくみていきます。

大豆イソフラボンとは

 育毛に良いとメディアなどでも度々取り上げられている大豆イソフラボン、一度は耳にしたことがある人も多いと思いますが、いったいどのような成分なのでしょうか。

 そもそも大豆イソフラボンとはその名の通り大豆に多く含まれる成分の一つです。多く含まれるとはいっても、大豆の主要成分はタンパク質、炭水化物、脂質などであり、微量の機能性成分の一つとして大豆イソフラボンが含まれています。

 そして、大豆イソフラボンは化学構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ており、別名「植物エストロゲン」と呼ばれることもありますが、この女性ホルモンに似た成分が男性ホルモンの働きを抑制する作用があるため、抜け毛や薄毛を予防してくれる可能性があるといわれているのです。

 その他、髪にハリやツヤを与えたり、お肌の新陳代謝を促進する効果など、良いこと尽くめ、百薬の長のようなイメージですが、摂り過ぎはかえって逆効果になる場合もあります。

 元来日本の食生活において、味噌や醤油など大豆由来の食品が日常の食事で取り入れられているので、大豆イソフラボンが不足することは少ないと考えられています。しかし、食生活の変化に伴い、サプリメントなどで取り入れたいという需要も増えてきているようで、厚労省では大豆イソフラボンについてのガイドラインも作成しています。

 リンク → 厚生労働省「大豆イソフラボンに係る安全性評価について」