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豆は魔滅?

 魔滅(まめつ)ではありません。魔滅(まめ)です。

 大豆繋がりで節分の話をひとつ。

 節分に豆をまく家庭は多いと思います(地域によっては全く豆をまかないところもあるようで、理由はすでに鬼を退治してしまったから、まく必要がないとか)。この豆をまくという風習は、諸説ありますが中国から伝わったとされるのが一般的な解釈です。

 豆は魔滅(まめ)。魔を滅する、という意味が込められています。そして、この時にまくのが大豆です(これも地域によって様々で、中には落花生をまくところもあるようです)。

 ただ、一つ注意が必要なのは、豆まきに使う大豆は必ず炒った豆でなくてはならないこと。なぜかというと、生の豆をまいて拾い忘れると、そこから芽が出てきて縁起が悪いからだそうです。鬼を追い出した豆から芽が出たら、それは鬼が新たな芽を出し育っているようにみえるからでしょうか。

 そして、自分の数え年の数だけ豆を食べると病気にならず健康でいられると言われています。皆さんもしっかりと年の数だけ大豆を食べてイソフラボンを吸収し、魔(5αリダクターゼ)を滅しましょう!

日本の長寿を支える大豆

 大豆には薄毛対策に効果的と言われる大豆イソフラボンをはじめ、様々な栄養素が粒一杯に詰まっており、日本の食文化には欠かせない食材の一つです。

 ここでは、この大豆の種類や成分などについて解説していきます。

 大豆という名前の由来は「大いなる豆」、つまり、豆の中でも一番という意味で名づけられたとされるのが一般的な解釈ですが、実は大きさや色の違いにより100種類以上の大豆が存在するといわれています。

 大きさでは大粒種、中粒種、小粒種に分類され、大粒種は豆の形をそのまま残した煮豆などの料理、中粒種は豆腐、味噌や醤油などの調味料に、小粒種は主に納豆に加工されます。そして、あまり知られていませんが、枝豆やモヤシも大豆の仲間です。

 その栄養価の高さから「畑のお肉」とも呼ばれる大豆ですが、成分はタンパク質をはじめ、脂質、糖質、カリウム、マグネシウム、カルシウム・・・とにかく種類が豊富。一方でコレステロールが全く含まれていないことも注目されています。

 公益財団法人日本豆類協会によると、大豆100gあたりの成分値は以下の通りです。

  ・エネルギー   422kcal

  ・タンパク質  33.8g

  ・炭水化物   29.5g

  ・脂質     19.7g             

  ・水分     12.4g             

  ・灰分      4.7g

 この中でも注目は、やはり全体の30%以上を占めるタンパク質。肉にも匹敵するような良質なタンパク質が「畑のお肉」といわれる所以になっています。タンパク質は筋肉や血液、そして髪、毛根などを構成するうえで欠かせない成分ですから、不足すると体力が落ちたり、血管が弱くなったり、体に与える影響は小さくありません。そういった意味では適度なタンパク質を摂取することは健康を維持するためにも必要なことなのです。

 古来より日本では食生活の中心に大豆があり、世界的にも大豆をよく食べる国として知られています。長寿大国ニッポンを支える屋台骨となっている大豆ですが、近年は食文化の多様化により大豆の摂取量が減ってきており、特に若い世代の摂取量が低下していることが注視されています。

 その一方で、大豆に含まれている機能性成分については摂りすぎるとかえって逆効果になる場合もあるようで・・・

 この機能性成分についてはまた次回、詳しくみていきます。

大豆の伝来は約2000年前の弥生時代

 大豆イソフラボンが薄毛対策に効果的という話、一度は耳にしたことがあるという人は多いと思いますが、一体どのような成分なのでしょうか。

 そもそも大豆イソフラボンとは大豆に含まれている微量の機能性成分の一つであり、その名の通り大豆製品の多く含まれています。豆腐や納豆をはじめ、味噌、醤油などの調味料、豆乳にも含まれています。

 今回はこの大豆の歴史ついて少し掘り下げて見ていきましょう。起源は、一般的には中国東北部、黒龍江沿岸といわれ、古くは4000年前から栽培されていたと推定されています。日本には朝鮮半島を経由して約2000年前に伝来して利用されてきたといわれており、古事記にも大豆の文字が使われていることが確認されています。

 大豆といえば、日本では豆まき用の「黄大豆」をさすことが多いですが、実は白や黒、赤、緑などさまざまな種類の大豆が存在し、その数はなんと百種類にも及ぶと言われています。古来より大豆は、米・麦・粟・黍などとともに五穀のひとつに数えられ、食生活の中心となってきました。

 現在世界ではアメリカ、中国など世界中で1億2千万トン以上が栽培されており、その約半分をアメリカで栽培しています。日本でも盛んに大豆の栽培が行われていますが、年間約15万トン程度であり、国内で消費される大部分は輸入に頼っているのが現状です。

 また、日本は世界でも有数の平均寿命の高い国の一つですが、これを支えているのが大豆を摂取する食生活であるといわれており、世界中の研究者から注目されています。