ハゲは遺伝するという話をよく耳にしますが、実際のところはどうなのでしょうか。
先に結論から言うと
「遺伝で必ずハゲるわけではないが、ハゲている人には少なからず遺伝の要素もある。」
という事です。
一般的に知力や性格に比べて身体的特徴は遺伝の影響が大きいと言われています。身長や顔の輪郭、目の大きさ、例えば親が一重まぶたなら子供も一重まぶたになりやすい、などなど。そのような身体的特徴にハゲの要素も含まれています。
それでは隔世遺伝はどうでしょうか。(※隔世遺伝とは・・・個体の持つ遺伝形質が、その親の世代では発現しておらず、祖父母やそれ以上前の世代から世代を飛ばして遺伝しているように見える遺伝現象のこと。)
「親がハゲていれば諦めもつくが、祖父のハゲが1世代飛ばして自分に遺伝するとはいかがなものかっ!」と納得できない人も多いはず。そこで、そもそもの遺伝も仕組みを簡単に説明します。
産まれる子供の性別を決めるのは「性染色体」と呼ばれる遺伝子であり、X染色体とY染色体があります。このXとYの組み合わせによって性別が決まるわけですが、それがいつ決まるのかというと精子と卵子が受精した瞬間です。「XX」なら女の子、「XY」なら男の子になります。女の子の染色体は2個1組のX染色体、男の子の染色体はX染色体とY染色体が1対ずつの1組となっています。
卵子の性染色体はX染色体のみですが(女性はXXなので)、精子の性染色体はXとYの2種類があります(男性はXYなので)。卵子にX染色体の精子が受精した場合は女の子(XX)、Y染色体の精子が受精した場合は男の子(XY)が誕生します。
そして、ここからが本題です。この性別を決める遺伝子「X染色体」にハゲに関する情報が含まれているといわれています。男の子は父親からY染色体(精子)、母親からX染色体(卵子)を受け継ぎますが、そのX染色体にハゲに関する遺伝子情報が含まれているのです。そして、男の子のX染色体は元をたどれば母親が母親の父(祖父)から受け継いだものなのです。つまり、母方の祖父がハゲている場合、その祖父からX染色体を受け継いでいるため、隔世遺伝という事態が発生するのです。
ただ、あくまでハゲやすい体質を遺伝しているのであって、ハゲが確定しているわけではありません。実際のところ私の母方の祖父はハゲています。なので、どうやら隔世遺伝しているのだろうことは身をもって感じていますが、私の3歳下の弟はフサフサなのです。同じ「X染色体」と「Y染色体」を受け継いでいるのに、ハゲのハの字も見当たりません。兄弟間でも違うわけですから本当のところはハゲてみないとわからない、といったところでしょうか。
なお、最近は遺伝子検査によって潜在的なリスクを調べることも可能で、美容整形外科、皮膚科、またはクリニック等で取り扱っているところもあるようです。また、オンラインショップでも検査キットを販売しているようです。